必死の思いで


 8月5日(木)  家へ帰りたい!
 今日の検査は昼ご飯を食べていないときの昼に行われた。歩くとエイキョウするというのでわざわざ車イスで行った。しかし、あのアイソトープ室という部屋。うす黄緑色のサーッとすずしい部屋に入るだけで、いやでもドキドキしてしまう。昨日と同じ事をやっただけで帰った。
 ウン。そうそう 今日は木曜日なのだ。面会日なのだ。ところが15分になっても30分になっても、(アッ 30分に来たんだ)でも、おそく来て、オマケにパパだけでした。ママは具合が悪いということでした。

 入手品:英訳「スカタン CO.」・23・わかってるのチャーリーブラウン・第2次大戦戦闘機(これは写真でなくて絵だったのが残念。ヨーロッパの制空権のことが書いてあった。)・週刊FM
 出品:ポパイ大作戦・4・スヌーピーおん大将

そして入手品がもう一つ。何か? コンビーフ。差入れをしてくれてありがたい。このコンビーフは、夜中(といっても9時半位)に必死の思いで、寝ているとこから起きて食べた。うまかった。

食べ物の差入れは禁止となっているのだが、病院ではこの間、不衛生なダガシヤで売っているようなアイスキャンデーを出したんだ。そんなものを出すのなら、家で作るコンビーフの方がはるかに上等だろうと思って僕がたのんだのだ。

特集
 そのころの心境から
 今。たった今の要求
 ① 家へ帰りたい
 ② メロンが喰いたい
 ③ ビフテキが喰いたい
 ④ ジンギスカンが喰いたい
 ⑤ 家の部屋で”グリークのピアノ協奏曲”をテープでききたい
 ⑥ 「もも」とかくだものを食べたい
 ⑦ 「ヨーロッパの解放」を70 mmで見たい
 ⑧ 「ヨーロッパの解放」がダメなら「新猿の惑星」を見たい

 ともかく 家へ帰りたいのだ!!


 8月6日(金)  熱が下がった、退院は?
 今日、最後のアイソトープ室内の検査をした。時計を見たら20分以上も寝かされていたという事がわかった。そして、午前中。まず、水のような液体を右うでに注射して30分後、45分後、60.分後に左うでから血をとるという検査をした。

こ のころはいろいろな検査もよくやる。そして、熱も下がって来ている。アイソトープ室の検査は異常ないらしい。何か退院が目前に近づいて来た様な感じだ。シカシ、本当ハマダマダジャアナイカトモ思ウカラコワイ。


 8月7日(土)  ”スキ”をうかがって電話
 土曜日、井原先生は休みらしくて検査と名のつく事はちっともやらなかった。あしたは、面会日なのですきをうかがって抜け出したが、東の様子がおかしいので、もどろうとろう下を見たら、いつの間にか人だかり。いろいろすきなどをうかがって二重の関門をとっぱし、なにげなくベットに入った。

 木曜日、いろいろな注文があやふやだったので、望みの物を全部持ってきてくれるか心配ダ。アスハ面会日。そういえば今日はいつも見ていたTVがたくさんある日なのだ。「UFO」←comon everybodyではない! 「ゆかいなブレディ家」「クイズジャンボ」「決断」「始まるよ」
 早く家へ帰ることを望む。


 8月8日(日)  パパからクイズの答えがきた
 うん、そうそう。今日は日曜日なのだ。面会日なのだ。今日はイツモカカサズ来ていたパパが来なくてママが来た。その代わりパパから手紙が来た。それには、前、オレがハガキでおくったクイズの答が書いてあった。

入手品:前、ジョークンをかいたような白いノート・ポパイ大          旋風・夏目そう石作「坊ちゃん」

 出品:ないもよう
  ~~ 次タノンダモノ ~~
 「24.売れっこスヌーピー」「1.陽気なビートル二等兵」

 病院の先生が親に話したことがボクの耳に伝わってきた。あといくつか検査がすめば退院できるそうだ。


 8月9日(月)  おっそろしい検査
 今日はまたオッソロスエケヌサヲヤッタ! その検査というのは、骨ずいの血をとって、さいぼうをみるらしい。先生に聞いてみると、それでなかなかいろいろなことがよく分るのだそうだ。(→かどうだか知らないが)
 だいたいどういう内容でやるのかと聞いた。横の腰の骨にハリをさして血をとるのだそうだ。ずいぶん簡単にいうが、いったいその時どんなことをするのかと思った。外来に行くのかと思ったら、よりにもよって、”治りよう室”というポクの部屋のすぐ前でするのだそうだ。

 寝かされて、消毒えきをぬられて、小さい穴のあいた(手術の時使う)きれを出しあてがった。ポクは両手を組んで胸にあてていたが、ハリをさすとは思えないほどいたかった。というより「骨身にこたえる」のだ。骨がじゅんぐりにヒピが入っていくような気持ちになり、アウッと、すごく痛んだ。と思ったらやっとおわった。バンソウコウをはって病室に戻った。

 「夜、とつて、血が出るようだったら言ってください」と、わざわざその先生が病室まで来て言った。夕方にはとったが、血はダクダク出ていなかった。ハリの穴が見えるだけだった。あしたも別の検査をするということだ。
 ともかく オレの退院はいつなのだ!?


 医学についてのことは全く分らない。しかし、伏見 君の日記によると、ほとんど連日のように、何かしらの検査が行なわれていたようです。一日に三つ(8月11日)も検査が行なわれたり、病院の中の色々なセクションを次々とまわっていたようです。

 そういう明け暮れの中で、中学校の学習のことを相当苦にしていたようで、気分の少しでもよくなった合い間合い間に勉強をしていました。

 セキ・熱・苦い薬、そしておいしくない食事。すべてが伏見君を責め苛むのです。こうしたさ中でも知識欲と表現欲はきわめて旺盛で、面会日ごとに、本や雑誌をご両親に注文したり、日記はもちろん、アートという自分向け(?)の総合新聞のようなものを書を続けています。


 8月10日(火)   向上なし

今日、検査があると先生が言っていたがなかった。
向上――なし

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