Joken


 遺品のなかからたくさんのマンガが出てきました。タイトル”Joken”のノートが何冊もでてきたのです。表
紙に第1巻から第10巻まで巻数をふってありました。表紙に記載してあった日付から、小学6年から中学
1年1学期、いや、息を引き取るまで書き続けていたことが分かりました。
 すべて、青か黒インクの万年筆で一息に書いています。筆致は乱暴です。だが、登場人物の表情は
豊かです。できるだけ多く、できれば、すべての”Joken”をこのホームページに掲載したいと思います。
 追悼誌を編集された田中一徳先生は、”Joken”について次のように評されました。


             ジョークンのこと
 ”Joken”は、どういうところからネーミングされたのだろうか。由
来について、直接聞いたことはないけれど、おそらくJokeないし
Jokerから、伏見君流に訛らせたものと思われる。”冗談を言
う人”、”おどけ者”;といったところだったのだろう。
 中心人物は、安井正敏君で、これは、伏見君が自分の分
身みたいにシチュエイトしていたようである。回ごと、又は、シリ
ーズ風に、いじわる易者が登場したり、悪とく業者が表われた
りするが、ジョークン・イコール・安井正敏は動かぬところだ。

 いつごろから、かき始めていたのだろうか、クラスの子ども達の
間で人気を博し、回し読みされていたようである。一見無雑
作でさりげない画であるが、表情や動きにナイーサブな筆致が
表現され、飄々(ひょうひょう)と軽妙で淡泊な味わいがある
が、表情や動きにナイーブな筆致が表現され、皮肉(アイロニ
ー)にも風刺(サタイア)も、子供と思えぬ、心理分析的で、
笑いながら考えせせられてしまう。

 後半、最後の入院中のものなどは、シィーンと淋しくなる。
観客のいないピアニスト、絶海の孤島にひとりで居るジョーク
ン。マンガが、こんなに苦しく切なく淋しいものを表現するもの
だとは・・・。ジョークンは、伏見君にとって、単なる画ではなく
心情吐露の文だったのだ。



左下のセリフは、「ボクのそんざいが いかにちっpけで わびしいものであるか を知らされたような気がする」です。


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